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「催眠」とは?

 「催眠」は、テレビのショーで見るような人を操るための道具ではありません。
正しく活用することで、私たちの能力を大きく開花させることのできるものです。ビジネスマンにとって催眠の知識を持つことは、自分の能力を高めるのに必ず役に立つことでしょう。


 人間の意識についての一つの仮説として、催眠をご説明します。
催眠をわかりやすく理解するための解説としてお読みください。

● 潜在意識と顕在意識

人間の意識には、顕在意識と潜在意識があるという説があります。本来の科学としての心理学の分野では、このような説は使われないと主張する人もいますが、フロイトやユングも潜在意識の概念を使っています。ここでは、催眠を分かりやすくご理解いただくために、あえて、この説を使って説明してみたいと思います。
顕在意識は、論理・理性・知性などをつかさどっており、大人においては、日常生活や仕事中は、ほとんど顕在意識を使って活動していると考えられます。
一方、潜在意識は、記憶、イメージ、感情などをつかさどっていますが、普段はこの潜在意識にはふたのようなものがされており、顔を現さないと考えられています。
ところが、人間の行動はほとんどこの潜在意識に支配されていると言っても過言ではないのです。初めて会った人の好き嫌いを判断するのに、ほんの3~4秒しかかからないことは、多くの人が経験から理解できるでしょう。3~4秒のうちに論理的に「この人は良い人」と判断しているかというと、そうでないことも分かると思います。この判断はイメージや記憶、感情をつかさどる潜在意識が行っていると考えられます。
このような判断は自分でも気づかないうちに無意識に行っているため、普段は自分の意思決定が潜在意識に左右されているとは思わないでしょう。ですが実際に、私たちは、このように多くの判断を潜在意識で行い、意思決定し、行動をおこしています。日常生活や仕事の上で、普段目を向けずにいる
「潜在意識」と上手につきあう方法を身につけることで、自分の行動を自分にとって良い方に向かわせることができます

● 潜在意識と催眠の関係

催眠とは、自分の潜在意識と良い関係を築くための方法です。

 催眠状態に入っていくと、普段はふたがされている潜在意識のふたが開いて、顕在意識と潜在意識がつながったような状態になると考えられます。
この状態では、普段は気づかない潜在意識からのメッセージを受け取りやすくなります。このため、素晴らしい発想が湧いてきたり、普段は気づかない大切なことに気づくことがあります。また、潜在意識の中に、自分の描く目標状態のイメージを深く刻み込み、目標達成を成功させやすくすることもできます。
ですが、実際には潜在意識の上に本物のふたがあるわけではありませんし、そのふたがいつ開くのかも分かりません。ただ、催眠が発見される以前、以後の歴史から、催眠によって引き起こされた状態の実例から、このようなことが仮説として考えられるのです。
昨今、ビジネスパーソンの間でコミュニケーション力を向上させるための心理学として知られるNLP(神経言語プログラミング)のモデルとなった有名な催眠療法家のミルトン・エリクソンはこんなことを言っています。

「病める人はすべて、自分の無意識とラポール(架け橋)を築けずに病んでいるのです。」

ここでいう「無意識」は潜在意識と同じものです。また、「病める」とは、精神の病気のことだけを指しているのではなく、あらゆる病気を指しています。

● 催眠中の状態

 催眠に入ると、意識を失ったり、自分の意思に反したことをすると思っている方は多いようですが、そんなことはありません。催眠状態はリラックスしていながら意識が集中している状態で、催眠中にも顕在意識ははっきりしています。最初のうちは自分が催眠に入っているかどうか分からない人が多いようですが、何度か催眠に入っているうちに、催眠に入った感覚をつかめるようになります。催眠中は潜在意識と顕在意識がつながったような状態なので、普段は出てこないような感情が湧きやすくなったり、昔のことを思い出しやすくなります。

● 催眠についての倫理性

テレビの催眠ショーなどで催眠を知った方は、催眠とは「誰かに操られるもの」という誤解をしていますが、
本来、催眠は自分で自分に対して施すものです。ショー催眠の場合には、被催眠者は催眠者との関係や周りの状況に応えたいという気持ちから、催眠者の暗示を受け入れて、おもしろおかしい行動をしてもかまわない、とあらかじめ考えているのです。ショー催眠で行われているものは確かに催眠にほかなりませんが、被催眠者は決して操られているのではなく、催眠者の暗示を受け入れることを自分に許可していると考えてください。
催眠で他人の心を操ることが可能かという命題については、反社会的な行為を被催眠者にさせることに成功した実験例もあるようですが、その要因が明らかに催眠によるものであったという実証はなく、催眠者と被催眠者との関係やその場の状況などの他の要因が絡んでいるようです。
催眠は被催眠者が「催眠にかかりたい」と望まなければかかりませんし、催眠にかかったからと言って、自分がしたくないことをさせられるということはありません。つまり、ヒプノセラピスト(ヒプノコーチ)はクライアントが自ら催眠に入っていくのをあくまでもサポートする立場であって、「催眠をかけている」というのは正しい理解ではありません。
とは言え、人の心に影響を与えうるのが催眠です。催眠者は催眠を使うにあたって、高い倫理性を持っている必要があります。当サイトでは、
催眠の活用については、あくまでも倫理的に、かつ注意をもって行われるべきと考え、ヒプノセラピスト(ヒプノコーチ)養成についても倫理規定の徹底に力を注いでおります。

● 催眠は特殊なものではない

催眠状態というのは、実はすべての人が日常的に体験している状態でもあります。
たとえば、映画を見ていて、そのストーリーの中に没入しているときは、催眠時と同様の状態です。普段であれば作り話に感情を動かされることなどないはずなのに、なぜかこのようなときには、涙を流したり、号泣したり、鳥肌がたつほどの恐怖を味わったりします。映画の進行の過程で潜在意識を覆っていたふたが開いて、顕在意識とつながったような状態になったために、このようなことが起きるのです。
このほかの例としては、「火事場の馬鹿力」という言葉に表されるように、いざというときに人が日常では考えられないような力を発揮する現象も催眠状態と同様と考えられます(とはいっても、本人の本来持っている力を催眠により高めることはできません)。
催眠は、このように日常の中で私たちが予期せずして体験している現象を、人為的に作り出し、自分を良い方向に向かわせるのに活用するための方法です。 もちろん、以上ような考え方はあくまでも仮説でしかなく、証明できるものではありません。ですが、太古の昔からの経験的実証で、潜在意識が人の行動、ひいては体の健康にまで影響を与えていることは明らかです。
潜在意識を上手に活用する方法を身につけ、自分の能力を最大限に生かし、素晴らしい人生を送りたいものです。

● 催眠の限界について

催眠や潜在意識を使えば何もかもがうまくいくかと言うと、決してそうではありません。上手に活用して自分にとって良いものにしていくことはできますが、
催眠は万能薬ではないことも知っておくべきです。
たとえば、自分のビジョンを実現するために、モチベーション維持やメンタルトレーニングの一つの方法として催眠を使うことはできます。ですが、本来、ビジョンを描く力は、さまざまなデータから真因を推測して情報として意味づけし、将来を洞察する力がなければ育ちません。これは非常に論理的な力です。また、そのビジョンが、その時代の社会を良い方向に導くものでなければ、おそらく実現はむずかしいでしょう。また、心からそのビジョンを実現したいという強い気持ちがあれば、催眠を使わなくとも、ビジョンは実現されてしまうかもしれません。
催眠は経営者やビジネスパーソンにとって、あくまでも一つの方法であり、常に自己刷新を続けている方にとっては有益になりうるでしょうが、「催眠に依存しよう」、「催眠で何もかもうまくやろう」、というような考えを持つ方にとっては毒になるかもしれません。


催眠についての情報サイト

「催眠の表と裏」:巷のヒプノセラピストや「潜在意識」といった言葉に対しては非常に批判的です。また、ビジネスとしての催眠を認めないような記述がみられますが、催眠をいかにも正式な心理療法のように使うセラピストへの警鐘として、受け入れるべきところがあります。サイトの内容は基本的に良質であり、悪徳な催眠術師から身を守るために有益な情報を提供しています。

「催眠標準テキスト@Wiki」:催眠についてかなり詳しい情報を提供しています。トップページのコメントは少々過激ですが、コンテンツも見やすく、優良な内容です。

 

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